賞状技法士、賞状書士、これらの賞状通信講座は何を学ぶことができるのか?何が違うのか?また、どのような資格を取得できるのか?比較してみます。
通信教育最大手ユーキャンの賞状講座が「賞状書法講座」です。他と比べてもテキストの見やすさはさすが最大手です。ライトテーブル付の講座もあり。書風は賞状書士に近いと言えます。
賞状レイアウトを現在の形に作り上げた老舗が「賞状技法士」です。僕自身が学んだ講座なので個人的にオススメしたいのですが、書風に大きな特徴を持っています。キレッキレの書風ですが好みが分かれるかも…。
たのまな賞状技法士養成講座は【準3級】【3級】【2級】の講座がありますが、【準3級】は書道の超初心者、【2級】は3級合格者なので、通常は【3級】を受講します。
老舗通信教育の「がくぶん」の賞状講座が最も有名な「賞状書士」です。典型的な賞状文字の比較的オーソドックスな書風ですが、出来上がりの賞状は特徴が出ます。
年間200枚以上の全文賞状、3000枚以上の卒業証書、200枚以上の選挙為書きなど、筆耕業界の第一線で活動している清水克信によるオリジナル講座。今現在、筆耕業界で必要な知識と技術を受講生限定動画で学べます。僕が個人で運営している講座なので、資格や級段などはありません。(筆耕に国家資格はありません)ただし、最もプロの技術と知識に近い講座だとは自負しています。
各講座の共通点は、賞状のレイアウト方法、毛筆細字の基本を学べる点です。更に、各講座共に「宛名書き」「熨斗袋」の書き方を学ぶことができます。
教材の内容は、それぞれに特徴がありますが、基本的に賞状のレイアウトのコンセプトは共通しています。ただし、レイアウトを割り付けしていく工程は、それぞれの講座によって異なります。
各講座は賞状を作り上げる技術、実用書道の基礎を学べる点は共通していますが、実は、全く異なる点があります。それは『書風』です。
各講座共に、書体は楷書体です。しかし楷書体と言っても、賞状の見栄えが良くなるように工夫された、賞状文字とも言われる特殊な楷書体です。この特殊な楷書体が、各講座共に特徴を持っています。
比較的オーソドックスな楷書に近い書風から、大陸の古典の影響を感じる書風もあります。これは好みの問題なので、資料請求して見比べてみてください。
各講座それぞれに、終了課題や与えられる等級があります。これらを『賞状の資格』と言えばそうなのかもしれませんが、厳密に言うと『賞状の資格』は存在しません。もし、賞状を書く仕事をしたい場合、自分に賞状を書く技能があれば、資格は必要ありません。
賞状の講座に限らずに、様々な書道団体で等級や師範の資格がありますが、それは全て民間の等級や資格です。民間の等級なので履歴書に書く場合は、【資格】欄ではなく【特技】欄になります。
日本で唯一、履歴書の【資格】欄に書ける書道の等級は『文部省後援の毛筆・硬筆書写技能検定』だけです。では、民間の等級や資格は意味がないのかと言うとそんな事は無く、自分自身の技能の物差しになります。また、第三者に自分の技能を解り易く伝える事ができます。
これら講座を受ける時はあくまで技能の習得を第一の目的と考え、等級や資格は付属するものだ、という程度に考えると良いと思います。